ストーリー③


新聞記者ドルトンが陸情3課の取材にやって来た。政府の提灯記事とは知りながら、まんざら悪い気はしない隊員たち。もっとも、アリスは例のごとく取材を真剣に受け取り、復興にかける思いを熱く語るのだった。
 その夜、戦車開発の権威コルトゥ博士の元を訪れる記者ドルトン。彼は博士に陸情3課で対戦車拳銃「ドアノッカー」を身につけた男がいた事実を告げる。眼光鋭く、博士はオーランドの素性を聞き出し始める。
翌朝、自分たちの記事が掲載された新聞を満足げに眺める陸情3課の面々。いっぽう、場末のカフェで働く女セシルも、記事中の面識あるアリスに目を留めていた。

救援物資の運用状況を視察するため、貴族の居城を訪れた陸情3課実動隊。だが、調査を拒絶する相手は戦車まで持ち出し武力で抵抗。アリスに突進する戦車をオーランドが食い止め、何とか窮地を脱する。 最愛の妹を心配するエリスとソリスは、帰宅したアリスに外出禁止を言い渡す。姉二人は、どうやら軍に休暇届けを出すつもりらしい。
大半のメンバーが出払ったオフィスでは、ステッキン曹長が、オーランドを相手に3課の来歴を語っている。マーチス准尉の赴任。そこにも、彼なりの事情があったと言うのだ。 陸情3課の過去に起きた事件とは・・・!?。

霧がたなびく夜明けの街。朝帰りのオレルド准尉は、橋の上から川をのぞき込んでいる女に目を留める。「まさか身投げ?」。瞬間、疑いを抱いた彼は、自殺を思いとどまらせようと車道に飛び出す。が、眼前を馬車が横切るうちに、女の姿は忽然と消えていた。
 その日、配給品の分配という任務を気ままに済ませたオレルドは、再び夜の街へ。たまに足を運ぶ店で楽しくやっていると、そこに今まで気にも止めていなかった存在が。早朝、橋のたもとで見かけた女だった。翌日も同じ店に通ったオレルドは、両親を失った彼女が17歳から辛い境遇で生きてきたこと、さらに、6年前戦場に駆り出された青年の帰りを待ち続けていることを知る。

白銀の世界に銃声が響く!3課実動隊の乗った雪上車を山賊団が襲う。銃撃、さらに手榴弾によってタイヤ部分を破壊された車輌は、あえなく横転、山道を逸れて切り立つ崖の下へと呑み込まれていった……。
帝国北部の病院まで、48時間以内に血清を届けること。今回の任務に危険が伴うことは覚悟していたが、地の利を知る山賊の攻撃からは、逃げるのが精一杯。何とか命拾いしたものの、移動手段である雪上車を失った隊員たち。おりしも吹雪に見舞われ、山小屋に避難するが、山賊の追跡を逃れるために火を使えず、寒さを堪え忍ぶしかない。だが、やがて負傷したマーチス准尉が発熱。アリスは意を決し、暖炉に火を入れる。

ガセネタの可能性はあるものの、匿名のタレ込みに基づいて、配給品横領の調査に向かう陸情3課の面々。だが、いつもの顔ぶれの中にアリス少尉の姿はない。婚約者に会うため……それが彼女の休暇取得の理由らしい。
パーティーへの出席をひかえ、自宅で身支度に手間取るアリス。迎えに来た貴族シュルツ公を待たせ続ける妹に、姉のソリスとエリスも気が気ではない。ようやく、軍装ではなくドレスを身にまとったアリスは、馬車でパーティー会場へと向かう。
いっぽう、未配物資について領主邸を調べ始める陸情3課小隊。庭園内に腐敗した配給品を見つけるが、領主の私兵は侵入者に向け、突如、自動小銃で攻撃を仕掛けてくるのだった。

朝、遅刻して来たオーランド伍長。急いで陸軍情報部の局舎正門へと駆け込もうとした彼は、路上に置かれたカゴを発見する。中には、生後間もない赤ん坊と「立派な軍人に育て上げて欲しい」という文面の書き置きがあった。
 不意の珍客に右往左往する陸情3課の面々。意外にも、赤ん坊はオーランドが抱きかかえると泣きやむのだが、いつまでもそうしているワケにはいかない。ハンクス大尉は養育施設への引き渡しを命令しかけたが、アリス少尉は子捨てへの憤りから親探しを買って出る。ハンクスも「戦災復興」の一環として、これを許可。乳飲み子をおぶったオーランドを残し、一同は喧噪の闇市へと向かう。

新型装甲車の襲撃で負傷したオーランド伍長は、現在入院中。だが、勝手に病室を抜け出すなど、なかなか安静にはしていない。オレルド、マーチスとともに見舞いにやって来たアリスはそれを咎めるが、相部屋の患者で鞄工場に長年勤めている老人ワンツは、仲間どうしのやりとりを微笑ましく眺めていた。

いっぽう、危機一髪のところをオーランドの捨て身の行動で救ってもらったマーチスは、常人の域を超えた戦闘力を目の当たりにし、存在しないはずの部隊「不可視の9番」の謎が気になり始める。資料を当たる彼に、オレルドも色男独自の援護射撃。二人は人事課の極秘ファイルから、ついに帝立科学研究所「カウプラン機関」の名を割り出すのだった。

陸軍情報部3課に所属してしばらく経つにもかかわらず、オーランド伍長は戦時の悪夢毎夜うなされていた。存在しないものとして密かに編成された対戦車部隊の記憶は、彼の心に深い闇を落としていた。

 しかし、悲痛な記憶は過去にのみ留まってはいない。先に解決したウォルキンス伯爵の一件。領民を虐待していた彼の戦車には、研究段階にある高度な軍事技術が施されていたのだ。そこで、陸情3課小隊は戦車開発の偉人コルトゥ博士を訪ね、真相を探り出そうとする。だが、博士はこれまでの経緯を確認するだけで、何ら助言は与えてくれなかった・・・。

恵まれた貴族の立場に甘んじたくはないと、遅ればせながら生活の見直しを始めたアリス少尉。そんな彼女に、ハンクス大尉から新たな任務が下る。崩落したトンネルの復旧だ。さっそく実動小隊は南部の村にシールド車を運び込み、地元住民に工事を発注する。だが、かつて同様の復旧作業でタダ働きさせられた村人たちは帝国を信用せず、仕事の受注を拒否。やむなくアリスは自らツルハシを振るい、少しでも作業を進めようとするが、意地を張って食事を抜いていたために倒れてしまう。翌朝、貴族としての誇りと誠意を見せ、なんとか住民たちの信用を得るアリス。だが、そのとき、小隊になついていた村の少年が思わぬ事故に巻き込まれてしまう。

先のダム占拠事件解決に於ける功績が認められて、陸軍情報部第3課に迎えられたオーランド伍長。新入りの彼はアリス少尉ほか上官たちとウォルキンスの領地に向かう。治安悪化を進言する差出人不明の嘆願書の真偽を確かめるためだ。
暗く沈んだ街で一行は、領民を標的に、ゲーム感覚で戦車砲を撃つというウォルキンス子爵の蛮行を知る。貴族という身分に守られた暴君はゆがんだ欲望を満たしていた。
 とりわけ、同じ貴族階級にあるアリス少尉は、持ち前の正義感から子爵の居城へ直談判に押しかける……。

突然の停戦。その報せを士官候補生アリスは士官学校の卒業式で、ランデル・オーランド伍長は焦土の市街地で、驚きとともに聞く。
…それから3年。帝国は飢餓、疫病、統制を失って略奪者に転じた兵隊など、戦争の負の遺産にいまだ苦しんでいた。「狼」と名乗る中尉に率いられた一団「灰色の狼」も、戦車を武器に野盗化し山麓の村を恐怖に陥れている。
 いっぽう、すでに陸軍情報部隊3課に配属されたアリスは、少尉としてこの無法者たちを排除するため、村に出動していた。が、実戦経験を積む敵は容易に降参しそうにない。ひとまず様子をうかがうことにする陸情3課小隊。彼らが立ち寄った村の食堂には、放浪の旅を続けるオーランド伍長の姿もあった。

ストーリー②

高台の舞踏会会場。アリスはレオニールに誘われてダンスを踊るが、心はどこか虚ろだった。同じ頃、パウロ侯爵の不正を公にするとともに、突入を計画していた市民の一団。その動きを察知したオーランドは、逆に尾行を気付かれて不意打ちを … Continue reading

ストーリー①

死闘は決着した。しかし、舞踏会場に踏み込んだ一団の中には、パウロ侯爵を討つという当初の目的が果たせず、怒りの矛先をアリスに向けようとする者もいた。疲労の極に達しながら、やむなく彼らと闘う姿勢に入るアリス。 その衝突を制止 … Continue reading

【ヴォルフ】

「帝国」の古語で「狼」のこと。

【903CTT 灰色の狼(グラオ・ヴォルフ)】

不可視の9番の一つ。毒物等の化学弾頭を使用するChemical Tactics Trooper(化学戦術部隊)。別名『死灰を撒く病兵(クランクハイト・イェーガー)』。

【不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)】

フロスト共和国との戦争中に帝国が設立した900番台の部隊群の総称。人道を無視した装備や、国際条約違反兵器の使用等、勝利を得るために冒した帝国の『禁じ手』。表沙汰には出来ないため、彼らは『存在しない』事にされた。

【拝命十三貴族】

アリス少尉のマルヴィン家を含む、皇室会議への列席を許された誉れある貴族。帝国への多大な功績が認められ、十三貴族には特別に皇帝から字(あざな)が与えられている。 ちなみに、マルヴィン家の字は“L(レイ)”。「斬り裂きし者」 … Continue reading

【901ATT 命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)】

不可視の9番の一つ。Anti Tank Trooper(対戦車猟兵)。戦車に肉薄し、装甲の薄い部分から直接内部の人間を狙う。敵を倒すために一切の犠牲を厭わない彼らの戦いぶりは、「たとえその瞳を灼かれても、たとえその腕をも … Continue reading

【パンプキン・シザーズ】

3課の実動小隊の名称。戦災復興を任務とした陸軍情報部第3課。戦災復興の名の下あらゆる業務を行う。設立目的は戦災復興を演じることで臣民の不満を抑制する言い訳(プロパガンダ)。 情報部内でも「お気楽3課、お祭り部隊」と揶揄さ … Continue reading

【スモーク・ディスチャージャー】

戦車等に装備された防御用の煙幕発射弾頭。車体の周囲に煙幕を発生させて敵の視界をさえぎり、攻撃目標をそらす効果がある。